通院の記録


メガバクテリア症 7
   
− ミラクル、再び −
それは突然に―

メガバクテリア消失

  ずっと一緒にいようね


2007年2月17日(土) 7回目の診察


「ヤッピーちゃん、餌はずっとこのまま(ペレット)ですか? 何か変わったことはないですか?」

と聞かれたが、何らヤッピーのために有効な手を打つことができないままであった。餌は、食餌量、体重とも下げ止まった感があったので、そのままペレットのみの状態を継続していた。

体重27g、先生は目にも留まらぬ素早さで注射を打つ。目の前にいて、気付かなかったほどだ。全身のチェックの際、羽毛がひらひらと抜け落ちる。一旦、おさまっていた換羽が本格化したようだ。


ここで、衝撃のお知らせがあった。
3月20日で、先生が退職されるというのだ。独立されるのであろうから、喜ばしい話ではあるが、ヤッピーがこんなにも信頼を寄せている先生がいなくなってしまうのは残念でならない。引継ぎはきっちりやってくださるというが、次の先生にもヤッピーは同じようにしてくれるだろうか。心配だ。


そして、いつもどおり、フンの検査。

標本を作りながら「塩土とか、まだあげてますか?」と聞かれたので、
「この間、塩土もボレー粉もやめました。ペレットにしたから、もういいかなーと思って・・・」と答えた。

前回、チェリーが空腹に耐えかねて、しきりにボレー粉を齧っているがどうしたものかと相談していた。塩土やボレー粉の類は、長期間胃に滞留するので、食べすぎは好ましくないとアドバイスを受けていた。

「うん、そうですね。ちょっと、ウンチがざらついていたので・・・じゃあ、ペレットの粉かもしれませんね。」


顕微鏡をのぞきながら先生が聞いてきた。

「実はひそかに何かしてたりしませんか? お薬を2滴から3滴に増やしているとか・・・」

「いや、何もしてないですけど・・・」
お薬はずっと2滴ずつだ。過剰投与を心配しているのに、とてもじゃないが増やせない。

「お薬はちゃんと飲んでくれています?」

「とってもお利口に飲んでますよ。」
ヤッピーは、あんなに嫌がっていたのが嘘のように素直に薬を飲むようになっていた。


「実は、今のところ、いないんです。いや、ぬか喜びさせてはいけないんですけど・・・全部見てからじゃないと・・・」

そんなこと言って、また最後に、“あーっ、いました!”とか言うんでしょうと思いつつ、待った。
(先生のリアクションが面白いので、顕微鏡を見ている後ろ姿を観察するのがちょっとした楽しみであった。)

「うん、やっぱり、いません。キレイなウンチです。」先生はきっぱりと言い切った。

「実は、前回もだいぶ少なくなってきていたんです。この前、かなり深刻なお話をしてしまいましたけど・・・。前回、ペレットに切り替えたということでしたが、そこで減って、そして今回、見られなかったということは・・・餌を変えて、消化がよくなったとか、腸内環境が変化したためかもしれません。餌は、ずっとこのままにしてください。」

先生は、初めからそのことを想定していたかのように、一気に言われた。


あまりの急展開に呆然とした。

信じられなかった。

それは、ヤッピー、2度目のミラクルであった


メガバクテリアの消失を受け、今後の説明を聞いた。

  • 投薬はそのまま続け、2週間後に検査。その時点でメガバクテリアが見られなければ、その時はもう注射はしない。
  • 念のため、さらに2週間予防投薬をした後(診察なし)、終了となる。
  • その後もまた出てくる可能性はあるので、半年ごとにフンの検査をうける。

フンの検査は、この病院の他の獣医師に引き継いでも良いし、最初に診ていただいた病院に行っても良いという。フンの検査だけなら、郵送による検査でもいいそうだ。


先生も嬉しかったのだろう。
「でも、私も最後に(完治を)見届けたいかなぁという気がしますので、2週間後に出なければ、その2週間後、最後に出ないということを確認させていただきたいかなぁと・・・。」と言う。

私も、良い結果にしろ、悪い結果にしろ、最後はこの先生に見届けてほしかったので、ぜひにとお願いした。そして、チェリーも、最後にもう一度見ていただきたいとお願いした。


もし、ここでチェリーに出てしまったら、まるでホラーだ。やっと死んだと思ったら、また違うところから出てくる、みたいな・・・。しゃれにならない。





それにしても・・・と、帰る道々、考えた。
今回のミラクルは、偶然の産物にせよ、チェリーのおかげではなかったか?

そもそも、ヤッピーが2年前、初めてこの病院で診ていただいたのは、チェリーのトリコモナスがきっかけだった。

2年間、普通の皮付き餌しか食べたことのなかったヤッピーがペレットを食べるようになったのも、チェリーがいたからだ。ヤッピーの性格からして、もし彼だけだったら、自分からペレットを食べることはなかっただろう。チャレンジャーのチェリーがいたからこそなのだ。

そして、今回、チェリーが食餌制限をしていなかったら・・・こんなことは起こり得なかったのだ。チェリーの忍耐が切れたおかげで、ヤッピーも食餌内容を変えざるを得なかった、それがこんな結果に結びつくとは!

ヤッピーが機嫌よく通院できるのも、初めの1箇月間、チェリーが一緒に行ったからだ。彼は、これで通院が楽しいお出かけだと認識してしまったのだ。

“チェリーちゃんはお金も手間もかかる子だ”と、ずっと、文句の一つも言いたい気分だった。
しかし今は、“すべてはこのためだったのではないか?”そんな気すらしてくる。

帰宅して、チェリーに何度も“ありがとう”を言った。
もうちょっと大きかったら、抱きしめてしまうところだが、それはかなわない。

この2羽、いつの間にかまた、仲良し文鳥に戻っていた。

不思議な、不思議な、ミラクルコンビだ。


あと、2回。どうか、出ませんように!




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